ミーティングのあと、部屋を訪ねてきた阿部コーチが、
「今日の敗因は私の責任、せっかくここまで戦ってきたのに申し訳ない・・・」と泣きながら謝ってきた。
今日のレース、ライフルのトラブルとミス弾痕をみて修正することができなかったことが原因だった。
この寒さの影響もあるし、銃の装着不具合があったりするのは仕方のないことで想定内だ。
「阿部さんだけが、責任感じなくてもいいんだよ。」
「選手とコーチは一心同体なんだから」と声をかけた。
選手とコーチの信頼は、ただ成功した時だけ深められるものではない。
失敗した時にこそ、それを、どう乗り切るか、次への目標に向かってこそ、信頼は生まれてくるものだと思う。
今日のレース、阿部コーチにとっても、久保恒造にとっても、次への大きな目標、夢を実現するためにも、とても重要な一戦だった。
「気持ちを切り替えてドイツ大会で巻き返そう」と、二人で話し合ったそうだ。
選手とコーチの「絆」、笑いもあれば涙もあるのだ。
ミスショットの弾痕をみながら修正をする
射場を出て2.5kmコースを走る久保選手